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     全裸に剝かれた輝雅はびくびくと怯えながら、ひとりぽつんと浴室に立っていた。扉の向こうでは梨央が衣服を脱いでいるのだろう、衣擦れの音がする。  初めは梨央は輝雅と同じタイミングで入ろうとしてきたがそれを輝雅が全力で拒否した。しなくてはいけないことがあったため、もうすでにばれているとわかっていても羞恥心が勝る。あれを大して親しくもない同性の眼前にさらすなど、輝雅の謙虚で現在絶滅危惧種になりつつあるナマトゥナデシコゥなみの奥ゆかしい性格では無理な話である。換気扇をフル稼働させた着脱衣室で、拝借したトイレットペーパーでぐるぐる巻きにしたそれをビニール袋に入れてゴミ箱にたたきつけた。(しかし梨央が野生動物並みに鼻がきくことを知らない輝雅の行動はただの骨折り損のくたびれ儲けである。)  急いで浴室にひっこんだはいいが、裸は裸で、力を入れていなくては股から滴りおちてきそうで、気が気でない。 「お待たせ、宮。イイコで待ってたか? つうか、シャワーでも浴びてりゃあよかったのに」  猫にするように、顎下を男らしい節くれだった指でくすぐられ、輝雅はふるり、と身体を震わせる。気持ちよさそうに目を細めて梨央の手にすり寄る。昔からねこっ可愛がりをされて常に誰かと触れあっていた輝雅にとって、ひとに撫でられるという行為は安心するものである。可愛らしく懐く輝雅に梨央は内心悶絶だ。  浴室は暖房をいれてあったので適度に暖かいが、やはりシャワーを浴びないのはよろしくない。ゆっくりと輝雅の身体にお湯をあてて、少し冷えた身体をあたためてやる。 「あったかい?」 「ん、きもち」  シャワーコックにひっかけてふたりで一緒にお湯にあたる。梨央は輝雅を怖がらせないようにゆっくりと触れて、さりげなく抱き締めた。人並み以上に体温のある梨央のぬくもりに、輝雅はすり寄る。 「栢木、あったかい。体温高いのな」 「鍛えてるからね。宮は身体、細すぎるしうすい。お前、冷え性だろう?」 「よくわかったな」  すごいすごい、と輝雅はニコニコ笑って梨央の首筋に鼻をすりつける。なんだこの可愛い生き物は、と内心悶絶している梨央はポーカーフェイスを保っているが下半身は正直だった。太ももに違和感を覚えた輝雅が身体を離して、下を見た。 「宮、見ないでくれると嬉しいんだが……」  ばっと顔をあげた輝雅はリンゴ並みに顔を赤くさせ、梨央の顔と下の息子、と頭を上下した。 「男はな、みんな狼だからな……目の前にこんな可愛いかわいい子がいたら興奮するんだよ。まあ、とりあえず俺のは無視むし。宮、浴槽のふちに座って」  梨央に促されるまま、輝雅はふちに座る。座ると丁度の輝雅の顔の位置に梨央の立派な息子がくるため、梨央は素早く片膝をついてしゃがんだ。  恥ずかしそうに内股になっている膝をくるくると優しく指先で撫でて、するりと内腿に触れた。途端に、ぴくんっと輝雅は身体を震わせる。プルプルと小型犬のように震える輝雅に、「宮、ゆっくり力抜いて。大丈夫、痛いことはしないよ。だいじょうぶ、な?」と優しく、つとめて優しく声をかけた。  正直まわりから見たら輝雅にとって害のある行動しかとっていない梨央に、輝雅はなぜか警戒心をなくしていた。(元々、輝雅は梨央個人に対して警戒心は持ち合わせていなかった。梨央が風紀委員会委員長だから、というのが大きな理由だ。ただ、輝雅は平等に、取り巻き以外の人間に近づかなかっただけだ。)  そのため、輝雅は、こっくりと頷き、力を抜いて脚をゆるゆると開いた。開いてしまった。輝雅の股間の目の前には、すでに息子を限界まで大きくさせた狼がいるというのに、開いてしまった。  梨央は空いた隙間に手をさしいれ、膝をゆっくりと、さらに左右にひらき、閉じて抵抗をさせないために、自分の肩に輝雅の細く、白く、長い、綺麗な脚を片方自分の肩にのせた。 (あ~~……、スマタしてえ……)  今、梨央の目の前には輝雅の可愛らしい息子がいる。真っ白で先っぽはきちんと剥けていて、淡く赤い。咥えて舐め回して思う存分に亀頭をいじめてやりたくなったが我慢をして、輝雅に「触るぞ」とひと言先に言ってから輝雅のソレを持ち上げた。 (う、わ……これは、やばい)  梨央が見たと同時にソコからじわりと血があふれ出た。独特の鉄臭さとは別の、女の子特有の甘さがふわりと梨央の鼻腔をくすぐった。あまりの匂いの強さに、梨央は我慢ができなくなった。 「宮、舐めるね、ココ」 「――え、なん、……ひ、やぁぁ……っ!?」  何を言われたのか分からなかった輝雅は、訳も分からず甘く高い声を上げた。  血があふれでる女性器を、梨央はためらいなく舐めた。ねっとりと、下から上へ、血が垂れるのがもったいないと言わんばかりに。じゅる、と音をたててすすりあげて舐める。 「やだ、きたない、きたないぃ……! やめてぇ、やめて……っ、かしわ、ぎぃぃぃぃ……!!」  身悶え、梨央の肩にのせられた脚が梨央の背中を力任せに蹴るが、梨央は構うことなく舐め続けて、しまいには空いている手で梨央の男性器を握った。 「ひぐ……っ」  上下にしごかれ徐々に勃起する性器に、輝雅は焦った。まさかまたそこをいじられるとは思いもよらなかった。そもそも、女性器を舐められていることすら輝雅の予想をはるかに超えている。 「はぁ……最高だね。男のモンなんか生で触りたくもないって思ってたのに……宮のは全然大丈夫だ……」  できることなら無理のままでいてほしかった。輝雅はぐぅと唸る。  梨央はふふふ、と声を出して艶やかに笑いながらも輝雅のものをしごき続けた。その手つきはいやらしく、射精感が高まっていく。このままではまた梨央にイカされてしまう。  もう完全に浴槽のふたに身を倒した輝雅は力の入らない手で梨央の手を抑えようと、手を重ねた。しかし、それはつつましく添えられた程度で、梨央からすれば「もっとして」とねだれているようなものだ(とんだご都合主義である)。 「あぁ、っんうぅぅ……あ~~っ、も、だめぇぇ――っ」  絶叫に近い甲高い嬌声をあげて輝雅は果てた。  ひくりひくり、と身体を震わせて射精の余韻により「あ~~~~……っ」と声を出し続ける。    

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