15 / 304

第15話

「宇田島さん、どうしてそんなに優しいんですか?」 俺はなんだか気分が良くって、頭がふわふわしていた。 「美味しいご飯に連れていってもらって、雰囲気のいいバーでおしゃれなカクテル飲んで、黙って愚痴を聞いてくれて、なおかつ優しい言葉で慰めてくれる…俺が女子だったら惚れてます」 断言する! 「浅井くん…」 ん?俺の手なんて握ってどうするの? 宇田島さんを見れば熱っぽい視線。 「…君は…男の子の君は僕に落ちてくれないの?」 …ちょっと困ったように眉尻を下げた…そんな表情で見つめられて…。 男だけど…ぐらっとした。 イケメンの殺生能力凄いな! 「宇田島さんなら女の子より取りみどりでしょ~?男の俺なんて相応しくないですよ~」 ははは、と冗談で流そうとしたけど…握られた熱い手に力が籠って心まで絡め取られた。 「ダメじゃないなら…試してみて…」 「…は…ぃ…」 なぜか…拒否出来なかった…。 「マスター、赤の一番で…」 店の奥の個室に連れていかれてもまだ頭がふわふわとしている。 セミダブルのベッドとその隣に物入れ、あとは赤い三人掛けのソファーしかない部屋。 「嫌だったら逃げて」 ベッドに座らされて上を向けば唇を塞がれた。 優しく触れる唇。 ふにっと幾度も唇を食まれた。 頬を撫でる手が少し冷たかったのは宇田島さんが緊張していたのか…それとも自分が紅潮したせいなのか…。 目を閉じれば指で顎を押され、開いた口に舌が侵入してきた。 上顎を舐められ舌を吸われ、片手を後ろについて自分の体を支えた。 くちゅくちゅと濡れた音に脳が痺れていく。 …キスってこんなに気持ち良かったっけ? 左手で宇田島さんの袖をぎゅっと握っていた。

ともだちにシェアしよう!