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第21話

「今日は付き合ってもらえますよね!」 俺には見える… …耳と尻尾が…。 ワンコのように俺に懐く後輩が若干めんどくさい。 「とりあえず仕事…遠藤」 ぶんぶんと振っていた尻尾がぱたりと垂れた。 行きたくはないが熱心に誘われたので、この後飲みに連れて行かないと…だな…はぁ…。 今日は宇田島さんと会う予定も無く、いく分気持ちは軽い。 イイ人なんだけどグイグイくるから~あの人…。 昼までもう少し、キーボードをカタカタと鳴らして仕事に勤しんでいると梶さんが俺の視界にちょいちょい入ってきた。 何か用事か? チラ見するくせに話しかけてこない。 そのまま無視して仕事を片付ける。 痺れを切らしたのか梶さんが俺と視線を合わせ、顎で廊下を指した。 はい、呼び出しですね。 メールの送信ボタンをぽちっとクリックして開いていた画面を次々閉じる。 個人情報保護法云々とかで今はいろいろ厳しい。 ログアウトして、ん、オッケー。 梶さんは廊下の先にある自動販売機の前で缶コーヒーを買っていた。 「ほらよっと」 ポンと投げてくる姿がイケメン…まぁ、ときめかないけど。 「ありがとうございます」 カフェオレ…よく見てるな…これ好きなんだ。 いつもはミルクティーなんだけど、この自販機だとお気に入りはカフェオレ。 梶さんはブラック。 「ああ、うん。でさ…いやぁ…なんていうか…」 「は?」 ハッキリしない梶さん…こんな人じゃなかったよ? 「今日…俺と晩飯でもどう?」 「はぁ…あ、ダメです。今日は遠藤と飲みなので」 梶さんまでも飲みの誘いか…。 「え!なんで遠藤となんだよ!」 「しつこく誘われてるんです」 本音が出てしまう。 「俺も…いや、場所だけ教えて?」 場所?来るのかと思った。 「え…はぁ…まぁ、いいですけど…」 そんなの聞いてどうするんだろ。

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