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第30話
目を閉じて瞼の重さを感じると体の力が抜け、すうっと引き下ろされるように意識が遠くなった。
…ぁ…
早く浅い呼吸。
…ぁ…ぁ、ぁ…
皮膚に触る全てが…
…キモチイイ…。
…夢?
昂っていく体。
…ン…
熱が溢れそう…でも頂上まで登りきれない。
あ、ぁ、ぁ…
……て…
「…いかせ…て…」
…!
夢を見ているのか、現実なのか。
汗ばむ体に愉悦を覚える。
ぼんやりと視界に映る影。
…誰…?
「ぁん!」
内側の深いところが疼く。
「あ、あ、あ…」
疼き始めるとたまらない。
もっと…もっと…!
シーツを掻きむしって、快楽を享受する。
だが長すぎる快楽は苦痛と紙一重だ。
「や…あぁ…も、ダメ…ぇ」
黒い影に手を伸ばした途端、目の前が白く爆ぜた。
ピピっ…ピピっ…。
ううっ眠ぃ…。
布団の中で伸びをしてスマホのアラームを止めた。
「…ン」
パジャマが擦れて乳首がヒリヒリする。
なぜか体がおかしい。
朝なのに怠い。
「んー、何でだ?」
無理やり体を起こしてベッドを降りた。
「…?」
スリッパの中に何か入ってる…。
持ち上げて取り出すと、それは昨日哲の部屋で見たアレ。
コレがスリッパに入る理由って…?
「…分からん」
サイドボードの上に置いて俺は哲のいるキッチンに行った。
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