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第37話 【R18】

たった一枚の布でさえもどかしく、胸の辺りを触る手の曖昧さが焦れったい。 「っぁ…ン…」 …欲しい…。 もっと、刺激が欲しい。 優しすぎる快感はもはや拷問だ。 ゆるゆると動かされるだけでは物足りない。 「もっと…」 自らワイシャツのボタンを外していく。 唇を舐める梶さんを下から見上げて背筋がゾクッとした。 「…修士…」 シャツの前がはだけひんやりとした空気に触れると、それだけで胸先が切なくなった。 「ぁ…」 先端をチロチロと舐める唇。 反対側は人差し指で弄ばれ、俺を傷つけないように慎重に触れてくるが…足りない。 「…もっと…強く…」 頭を起こしてそう言うと梶さんの口角が上がり、見たことのない雄の顔になった。 「ンンっ…!」 じゅるじゅると音をたてて乳首を吸われる。 甘噛みされると快感が腰を撫でるように走り、枕に爪を立てた。 反対側は指先で弾かれた後にぎゅっと潰され、刺激がある度に背中が弓反りになる。 「開発済みなんだな」 「ン…開発なんて…してない…」 口を離してもしゃべると息が当たり、感じてしまう。 「じゃあ、才能だな」 梶さんは嬉しそうに俺のベルトを緩め、ズボンを脱がしにかかった。 「…はぁ…ぁ…」 ぐちゅぐちゅと音がするほど指を出し入れされている。 俺はうつ伏せで腰だけを高く上げた格好にされていた。 耐えられない羞恥のはずなのに、快感に喘ぐ自分がいる。 「あぁ…んっ…!」 枕を胸に抱き、昂った体から欲望が吐き出される。 「…浅井…後ろ、経験あんだろ?」 …経験…?何の…? 「柔らかかったし…感度良すぎ。後ろしか弄ってないのに、何回イッてんだよ」 「…ない…、したこと…」 相手なんか今までいないし、自分でなんて…したこともない。 自分の体が知らないうちに変わっていたような、そんな気がした。

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