45 / 304

第45話

「今日も美味かった!ご馳走様」 エビの入った茶碗蒸しに鱚の天ぷら、筍の炊き込みご飯…もう腹いっぱい。 「しゅうちゃんは明日…土日予定ある?」 明日ねぇ…出勤は回避したし…うん、ない。 「特にはないよ」 「少し付き合って欲しいんだけど…いいかな?」 控え目にお伺いを立ててくるが、いつも美味い晩飯ご馳走になってるし。 「いいよ。付き合う」 「ありがとう」 ぱあぁ…と哲の顔が輝く。 何?そんなに喜んでくれるの? どこかに行くとか何かをするとか、言ってくれれば付き合うのに。 「しゅうちゃん、お風呂沸いてるよ」 「ん、ありがとう」 俺はいつも哲の部屋に泊まる日のように風呂に入った。 風呂上がりにデザートの抹茶プリンを食べ口直しのお茶を啜り、いつものようにベッドに潜り込んだ。 …ここまでの記憶はちゃんと、ある。 眠りに落ちた後…次に目を覚ますと俺は視界と手足の自由を失っていた。

ともだちにシェアしよう!