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第46話
闇の中、動く範囲を模索する。
片側の手首と足首が左右それぞれベルトのようなもので固定されていて可動域は小さく、視界は目の上に柔らかい布のような物が巻かれていて真っ暗で何も見えない。
口には口枷のようなものが付けられ唸る事は出来ても喋ることが出来ない。
体の状態が気になって激しく動く気になれず、仰向けで膝を立てた状態のまま時が過ぎる。
俺は哲の家のベッドで休んだはずなんだけど、なんでこんな事になってんだろう。
体を動かすとカチャカチャ鳴る金属音。
でもベルトの内側に柔らかな素材が使われ、拘束具が肌に食い込んで痛むようなことはない。
俺の体に気を使って拘束する位ならしないでくれよ。
心の中で毒気づく。
どこか外せたりしないかゴソゴソ動いてみても何ともならない。
それよりも意識が戻ってから何だか体がおかしい。
気のせいだと思いたかったがそうじゃないみたいで、後ろに異物感…があった。
漏れそうなのかとギョッとしたのだが…違う。
体を動かすとそれだけで声が出そうになる。
「うぅ…」
無理に体勢を変えようとすると口枷からくぐもった声が出てしまう?
やべ…これ…この感じ…気持ちいいヤツ…。
この気持ちよさは過去に経験したことがあるような気がするのだが、思い出せない事に不安を感じる。
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