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第58話

寝て寝て寝て…もう朝。 あぁ、会社か…。 これ程出勤したくない月曜日は初めてだよ。 未だに重怠い体で無理にベッドから降りた。 昨日は家に帰ってきてベッドに突っ伏して…起きたら夜だった。 俺の休日を返せ。 何よりも自分の体が知らないうちに変えられていくようで怖い。 皆俺の気持ちなんか無視して自分たちのやりたいようにやって…。 …でも…快感を拒絶出来ない自分がいる…。 隙だらけの俺が悪いのか? 流される俺が悪いのか? 疲労のせいか苛立つ。 分かっても止められなかった。 体の状態が最悪でも仕事はする。 会社員としては、当然の事。 気持ちも荒んでいて不機嫌オーラを飛ばしているせいか近寄る人はいない。 きょうは打ち合わせなど無く、黙々と仕事をすればいいだけだからそう言う意味では気持ちが楽だ。 とにかく仕事に没頭できるのはありがたい…。 「浅井…昼飯どう?」 「浅井さん、ラーメン食べに行きましょうよ」 などと言われたが昼食を食べに外へ出るのも億劫で遠藤や梶さんの誘いは断った。 あの二人にも積極的に関わりたくない。 何をされるか分かったもんじゃないし。 人に対して気を使うのはいい。 でも、俺にだって少しは気を使って欲しい。 欲望だけぶつけてくんな。 …心の中で叫んだ。

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