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第61話
「…といったような事を行っております。さらに…」
…左様で…。
事代堂…よく喋る奴だな…。
図体はデカいけど、始終笑顔で親しみやすくて…
考え事をするとまだ身体が怠いせいでほんのりと眠気に襲われる。
バンッ…バサッ…
「ぎゃっ!す、すみません!」
事代堂の声で現実世界に引き戻された。
ホワイトボードにぶつかって、その勢いで手にしていた資料は投げちゃうし…とんだ天然ちゃんだ。
まぁ、お陰で目が覚めたよ。
「はは…」
バチッと俺と目が合って愛想笑いをかましてきた。
こういうタイプの人、周りにいなかったからある意味新鮮だな。
長い長い事代堂の話を聞き、各部署と意見交換を終え会議という名の意見交換会は終わった。
荷物をまとめて腰を上げると机の上に影が落ちているのに気づいた。
「あの〜浅井さん。少しよろしいでしょうか…」
見上げなくたってわかる。
俺の上に影を落とせるのは事代堂位だ。
「大丈夫です、何でしょうか」
と言いつつも、俺は早く仕事に戻りたかった。
「…それでね!」
バンバン、とテーブルを叩く酔っ払い。
「すっっっごく可愛いんですよ〜〜」
…驚かないけどね。
…でも引くよね。
井上なんかずっと黙っていて、俺と目を合わせない。
「浅井さ〜ん、聞いてますか〜?」
と言って俺の肩を抱く事代堂。
フレンドリーすぎやしないか?
「もうこの辺で、ね」
何故か酔っ払いのご機嫌をとる俺。
「井上…見てないで何とかしろよ」
そう、井上が俺の個人情報を事代堂に漏らしたから三人で居酒屋に行く羽目になったのだ。
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