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第70話【R18】
「ぁん…ン…やぁ…」
二本の指を広げるように動かすとまた違う刺激を受け感じてしまう。
…ここに…もっと…
ぐちゅぐちゅと水音は激しくなり…
…もっと…奥まで…
「…ンン…」
…もっと…太くて…熱くて…
「…あぁ…」
…強く…抉るように…
「…ン!」
ビクンと身体が大きく波打って、手の中に熱い白濁を放った。
体から熱が吐き出され冷静になると今までアンアン言ってた自分に嫌気がさす。
「はぁ〜…何してんだ…俺…」
手にこびり付くモノをティッシュで拭き、欲を抑えられない自分に心の底から呆れてしまった。
「重症だな…」
ゴロンと横向きになって脚を抱え、目を閉じた。
「ねえ、しゅうちゃん、ねえ」
大型犬が隙あらばとまとわりついて歩きにくい。
社内で昼飯を食べていたら哲に見つかり今に至る。
通り過ぎる女子達がクスクスと声をひそめてこっちを見てる。
「尾川さん、少し声を抑えて」
ここは会社。
俺たちは社員。
廊下は共用スペース。
プライベートは業務時間外、だろ?
「…浅井さ〜ん、お願いします!」
俺はくるっと向きを変え、哲の前で薄く微笑んだ。
「申し訳ありません。これからお客様に会う約束があって」
「ねえ、急に冷たい。訳を教えて」
哲が足を止め、硬い声で言った。
「理由は…そんなの気になる奴ができたから!」
「嘘!」
哲の声を置いてきぼりにして、俺はその場から逃げ出した。
これでいい。
これで哲は俺から距離を置くはず。
そんな事を考えていたのだが俺達のやり取りを少し離れた場所で聞いていたやつらがいたのは誤算だった。
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