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第79話
眠り続けていたようで揺すられて意識が覚醒した。
「浅井さん、大丈夫ですか?」
心配そうな顔をして遠藤が俺を見下ろす。
「…大丈夫…じゃねぇ…」
上半身をやっとの思いで起こし周りを見ると梶さんと遠藤は衣服を整えてベッドに腰掛けていた。
自分を見ると…なんだよ!俺だけ全裸かよ!
「はぁ〜」
頭を乱暴に掻いて深く息を吐いた。
「シャワー…」
床に足を下ろして立ち上がろうとするが身体がぐらついて反射的に手を伸ばした。
梶さんがその腕を掴んだ。
「おっと…」
「…っ…」
「浅井…一人で入れるか?」
すぐ目の前に梶さん…。
…ずくん…と奥が反応する。
昨日はこの腕の中で、俺…
「大丈夫なんで」
押しのけて、ふらつきながらバスルームに逃げた。
熱いシャワーを頭から浴びて所々虫食いだった昨日の記憶がゆっくりとよみがえった。
三人でオシャレな酒を飲んで…それから…
…気が付いたらキスして…
…キスし始めたら、もう我慢出来なくなって…
… …
いつの間に俺は こんなにはしたなくなってしまったのか。
哲も遠藤も梶さんも…嫌いじゃない…
でも、だからって身体の関係を持っていい訳じゃない。
しかも、昨日は三人で…
今更自分自身に失望した。
流されすぎだろ、俺…。
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