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第80話

二人は俺と向かい合うように据わり、遠藤は俺をチラ見して梶さんが俺をガン見している…。 シャワーを浴び、湯気が立ちのぼる身体をバスローブで包み部屋に備え付けの椅子に腰を掛けた。 ラブホテルかと思ってたけど普通のビジネスホテルか。 ダブルベッドとシングルがくっ付くように配置されていた。 ダブルの部屋にシングルを追加出来るのか…、じゃなくて本題。 「え…っと…昨日はどのあたりからホテルに行く流れになったんでしょう…」 今更だがとりあえず、念の為の確認。 「『 アイロニー』で酒を飲んでたら遠藤が飲みすぎて暫く店で休ませてもらってたんだけど…」 あの店、『 アイロニー』って名前なのか…。 「…休んでる間に浅井が眠っちゃって…」 「入れ替わり僕が起きたので梶さんと二人でホテルに運んだんです」 …俺…寝ちゃったのか…もう。 「終電も終わってたからな」 淡々と話す梶さんに何故が腹が立つ。 その勢いで、聞にくい事も口から出た。 「…それで…俺が裸だったのは…どうして…?」 睨みつけるように目だけを動かして二人を見遣るが二人とも黙ってしまった。 沈黙のまま時が過ぎる。 梶さんと遠藤が“しょうがない”と言うように顔を見合わせて、梶さんが口を開いた。

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