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第82話
ヤダヤダ。
俺、何やってんだろ。
男に言い寄られて調子に乗ってセックスして…。
気持ちいい事に耐性が無さすぎるだろ!
家に帰る道すがら、自分を責めた。
混乱して正常に機能しない頭と二人がかりで責められ疲弊した身体。
全てが嫌になった。
土曜日の間に俺は自分の部屋に帰り着き、スーツを脱ぎ捨ててベッドに潜り込んだ。
今は現実を見る勇気も体力もない。
頭と身体を休めて、それから…
すぐに俺は意識を手放した。
唇を辿る…。
舌で唇を舐められ、上顎や歯列までも快感を拾うあさましい身体。
脳が痺れるような心地良さが堪らない。
頬、首、鎖骨、腹…身体全体を這う手を想像して腰が震えた。
長い時間二人に刺激された身体は、その記憶を再生する。
熱く汗ばんだ掌に嬲られた乳首が、焦らされひきつく後孔が…
…疼くのだ。
躾られた、快感に従順な身体。
眠ったつもりでも身体が悦びを欲する。
意識が中途半端に覚醒し、無意識に手が伸びた。
自分の胸の先端を摘み、くにくにと刺激する。
「…あ…あ…」
…気持ちいい…でも…
…足りない。
昂る己を掴み、擦る。
だんだん気持ち良くなり、くぷっと蜜が零れる。
それを撫で付けるように擦り上げて高みを目指すが…
…苦しいのだ。
睡眠学習の要領だろうか。
俺は自分の指を躊躇うことなく後孔に当てた。
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