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第93話
「ほっとけば落ち着くから…」
おれの尻に井上のモノが当たり、いてもたってもいられない。
断続的にせりあがる快感を押し殺し、一人身悶えた。
「…ッ…ぁ…」
…変態みたいじゃないか…俺…!
「ンぁ…!」
不意に
井上の腕が故意なのか偶然なのか乳首と下半身に当たって感じてしまった。
「井上、ちょっと…「浅井!」…」
ギュッと井上の腕に力が込められ、もう抑えきれない。
「…す…き…」
「は?」
井上の突然の告白で身体の力が抜けた。
「…えっと…どうい…「ずっと好きだった!」…」
…好きって…俺の事?
「え…?俺?」
暑い…急激に体温が上がり変な汗が吹き出してきた。
「もう!今日言うつもり、無かったのに!」
さらに腕に力が込められ、どういう訳かドキドキが増幅されてしまう。
…可愛いな…
こんなデカい男に思う感情じゃないだろうけど。
「浅井…?」
井上の逞しい腕を撫で、その手に指を絡める。
「答えは…ノー…じゃない」
「え!」
「ノーじゃないけど…その…急すぎて…」
「ゆっくりでいい…ゆっくりでいいから…」
…俺の事を好きになって…
首筋に吐息が掛かり、頭を痺れさすような甘い空気に、俺は酔ったのかもしれない。
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