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第95話
「…ぁ…ン…」
気持ちが昂るせいで身体が熱くなる。
いつの間にか俺の体は随分と我慢がきかないハシタナイ身体になってしまったようだ。
…このまま抱かれてしまいたい…
胸の奥で燻る淫靡な熱が出口を探しているような感覚に正直困惑した。
「浅井…敏感体質?」
「な…!」
そんな事、無いって言えない。
「感じてンの?」
「あンッ!」
グイッと下肢を押し付けられ声を抑える事が出来ない。
「ダメ…だから…」
くっ付いた身体を引き離そうと井上の胸を押すが…ビクともせず逆にさらに強く抱かれた。
「あぁ!もう!何でこんなに可愛いんだよ!」
…え?
「井上、お前目が悪いのか?」
こんなアラサー男に可愛いだなんて。
「無自覚、天然かよ…」
耳元ではぁ〜とため息出すな!
感じるだろ!
「ンンッ…」
「我慢出来ないから…キスだけ…いい?」
しゅん、と耳を垂らした犬みたいな目で見られ、拒否出来する事に躊躇ってしまう。
「ちょっとだけなら…ぁ…」
許した途端に噛み付くように唇を奪われ、驚いてキュッと結んだ口も難なく開かれ井上の熱い舌が侵入してきた。
「ふっ…ン…」
期待していたそれは思いの外丁寧に歯列を割って口中を嫐る。
ヤバい…気持ち良すぎ…
自らも井上を求めるように激しく舌を絡ませ、口角から啜りきれない涎が滴った。
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