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第99話

気分良く仕事を進め、これならどんな面倒な案件でも大丈夫だぜ、と思っていた自分…どこ行った? 目の前にはどう見ても機嫌のよろしくない宇田島さん…。 俺、何かしたかなぁ…。 「浅井くん、井上くんと付き合ってるの?」 …え? 「…どうして…それ…?」 はぁ、と宇田島さんがため息をついた。 「浅井ファンクラブの情報網よ」 「…え?!」 …ナニソレ…? 「そんな事より、付き合ってるの?どうなの?」 「付き合ってる?無いのかな?」 迫力に負け、オドオドしていたらギロっと睨まれた。 「た…多分…?」 「はぁ?分からないの?」 あれ?宇田島さん、こんな人だった? 驚きの目で見ていたら、また深々とため息を吐き出された。 「は〜。浅井くんが特定の相手と付き合うとなると…大変ね…」 「どうしてですか?え、何で?」 「あら、時間。戻らないと…」 気が済んだのか、宇田島さんは俺の言葉を無視して会議室から出ていった。 会議室に一人取り残された俺…。 どうして井上の事がバレてるの? 浅井ファンクラブって何? 理解出来ない事だらけで俺は知らずに唇を噛んでいた…。

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