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第106話

ゆっくり倒れたから酒が零れなくてよかった…。 いや、そうじゃない。 「重い…どけよ…って、何してんの?」 俺の腰に腕を回して背中に顔をくっ付けている…。 「修士を充電中」 「うっわ…引くわ」 「今日は外でイチャつけなかったから気が済むまでする!」 ふんかふんかと匂いを嗅がれ、逃げようともがくと回された腕がキツく身体にくい込んで妖しげな欲求がムクムクと湧き上がった。 「離せよ…あぁ…ン…」 反応する身体。 「ダメ…だって…触ンなよぉ…」 背中がふるっと震え、ヤバいと床を這いずって光希生から逃げようとする。 だが光希生は力を緩めない。 「ねぇ、それってわざと?」 一体何を指しているのか? 「何のこ…ふぁ…ッ…」 シャツの上から光希生の指が胸の先端を掠めた。 「これだよ!敏感なの?」 「あ…ダメだってぇ…ンン…」 光希生の手が背中を直に触れ、我慢できずに声が漏れる。 「ねぇ、修士…」 名前を呼ばれて光希生の唇が近づいてきて…口付けられた。 光希生の舌が俺の歯列を割って、舌の根元やら上顎やらを遠慮なく舐る。 顔を背けようとしても後ろ頭を引き寄せられて、どんどん深みに嵌っていく。 光希生の首に腕を回し、俺も光希生の唇を求めてしまった。

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