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第121話
…ん…?
…眠い…
「…もよく分からな…」
「…えずホテルに…」
…ホテル…?
…何しに?誰と?
…ネクタイ…苦しいから外して…ねぇ…
…ズボンも…暑い…
…あ…どこ触って…ぁ…
…あぁ…もっと…
…もっと…?
…って!どーゆーこと?!
がばっと身を起こして周囲を確認。
丸い大きなベッドの上で…
…雑魚寝?
「あっ!」
自分の体を両手で触って確認したが…
「セーフ…」
…良かった…ワイシャツも下着も身に付けていた。
「このパターン、ろくな事がないからな」
散々失敗して想定外の目に遭って、光希生という相手がいる今は間違いを起こしたくない。
…っていうか起こせない…。
鞄の中から携帯電話を取り出してみると
「うっわ…」
着信とMINEが数件あった。
光希生だ。
今の時刻はちょうど日付が変わった時間。
遠藤、桐谷、熊田の三人も俺と同じような格好で眠りこけている。
「…出るか…」
置き手紙と現金を置いて俺はそ〜っといかがわしいホテルを出て、光希生の部屋に向かった。
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