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第124話

膝が笑い、自重が支えきれない。 「あっ…」 「…ぶなっ…」 カクンと崩れそうになった時、ミキが俺の身体を支えてくれた。 「…もう足腰立たない…運んで…」 弱冠投げやりに宣う俺。 「まあまあ、洗ってから連れてってやるよ」 言葉通り、ミキの手によって俺の身体は丸ごと洗浄され、バスタオルに包まれてベッドに運ばれた…。 …チクショウ…されるがままかよ。 「シュウ…こっち向いてよ」 俺はちょっといじけてミキに背を向けていた。 「ヤダ」 「ほら、こっち」 ミキは俺の背中にぴったりくっ付いて、無理やりではなく俺が自分からミキに向き合うのを待っている。 ズルい。 風呂場での俺は焦らされて、自分からせがんで、今思うと恥ずかしくて顔から火が出る! 「賢者タイムはもういいだろ?」 …よくない! 「あれだけ好きにさせてくれたんだから、お仕置は終わり」 「お仕置だったの?!」 ガバッと起きてミキの顔を見た。 「二度とあんな事しないように、躾だよ」 …し・つ・け…! 「ゴメン…でも気持ち良くてお仕置にならなかったね」 …ね、じゃないよ…! 腕を伸ばして俺の顔を寄せて、チュッと機嫌を取るようなキス。 …チェッ…ミキはズルい。 こんなのされたら気分良くなっちゃうだろが! 俺は満更でもなく、ミキの首に腕を絡ませた。

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