124 / 304
第124話
膝が笑い、自重が支えきれない。
「あっ…」
「…ぶなっ…」
カクンと崩れそうになった時、ミキが俺の身体を支えてくれた。
「…もう足腰立たない…運んで…」
弱冠投げやりに宣う俺。
「まあまあ、洗ってから連れてってやるよ」
言葉通り、ミキの手によって俺の身体は丸ごと洗浄され、バスタオルに包まれてベッドに運ばれた…。
…チクショウ…されるがままかよ。
「シュウ…こっち向いてよ」
俺はちょっといじけてミキに背を向けていた。
「ヤダ」
「ほら、こっち」
ミキは俺の背中にぴったりくっ付いて、無理やりではなく俺が自分からミキに向き合うのを待っている。
ズルい。
風呂場での俺は焦らされて、自分からせがんで、今思うと恥ずかしくて顔から火が出る!
「賢者タイムはもういいだろ?」
…よくない!
「あれだけ好きにさせてくれたんだから、お仕置は終わり」
「お仕置だったの?!」
ガバッと起きてミキの顔を見た。
「二度とあんな事しないように、躾だよ」
…し・つ・け…!
「ゴメン…でも気持ち良くてお仕置にならなかったね」
…ね、じゃないよ…!
腕を伸ばして俺の顔を寄せて、チュッと機嫌を取るようなキス。
…チェッ…ミキはズルい。
こんなのされたら気分良くなっちゃうだろが!
俺は満更でもなく、ミキの首に腕を絡ませた。
ともだちにシェアしよう!