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第127話
「桐谷さんの事…苦手なんですか?」
「そうじゃ無いです!桐谷…虫の居所でも悪かったのかな…」
はぁ…と熊田さんはため息をついていた。
「実は…先日の会議でお二人が派手に言い合ってたのが気になって…」
「あぁ…いや…あれは違います。違うんです」
違わんでしょ?
あれだけ騒いで何も無いって、それこそ無いよ?
「私に治めるだけの力が足りなくて…スミマセン…」
「いえ!とんでもないです、本当に…」
「……」
ヤバい…滅茶苦茶気まずくなった。
取り敢えずご飯を頬張って強制的に話せない状態を作る。
熊田さんは全身からガッカリオーラ全開で、ショボンとして見えた。
俺のせいで盛り下がっちゃったか!
「あ、あの、スポーツはどんな事をなさってますか?」
どうにか少しでもメンタルを上げておかないと…!
「今は自転車とテニスです。そろそろ水泳も始めますけど、違う種類の筋肉を使う運動を幾つか組み合わせてるんですよ」
…うっわ…ガチなヤツだ。
でも好きなだけあって、嬉しそうに話すなぁ。
「仲間となさるんですか?」
「…はぁ…まぁ…」
んん?
途端に歯切れの悪い…地雷か?
熊田さんはチラッと奥の席を見た、ように見えた。
…桐谷さんの事…気にしてるのかな?
そして、はあ、とため息をついて再び昼食を食べ始めた。
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