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第131話

「ん…うぅン…」 俺は青いシーツに身を投げ、その冷たい感触に頬ずりした。 ここは…宇田島さんに連れてこられたあの赤い部屋によく似ている…。 あの部屋で…俺は…。 ブルッと身震いした。 「シュウ…上着が皺になる。脱ごうか」 ミキが甲斐甲斐しく上着を脱がせ、ネクタイを外す。 「ン…苦しい…」 そう言えばワイシャツのボタンとベルトも緩めてミキは枕元に腰掛けた。 「ほら、飲みすぎてる」 髪を撫でられて、俺は気持ちよさに目を閉じた。 「もうダメ〜キモチイイ…」 「水もらってくるから、待ってろ」 ギシッとベッドが軋む。 俺は上半身を起こし、立ち上がるミキの腰に腕を回す。 「一緒に…寝ようよ…」 目いっぱい甘えた声を出して誘った。 「ここで?」 「ここで」 「…ダメ」 「ちょっとだけでも?」 「ダ〜メ。水もらってくる」 腰に回した腕も外され、ミキは部屋を出て行った。 「チェッ…」 イチャイチャしたかったのに。 「ミキのやつ…もっと甘やかしてくれよ…」 文句を呟いて、俺はいつの間にか目を閉じていた。 「シュウ、寝相悪いな」 ミキに揺り起こされると、俺はパンツと靴下だけを着けた姿で眠っていた。 「あれ?脱いだっけ?」 暑かったかな? 脱いだ記憶が無い。 「水飲んで、もう出よう」 ミキからコップを受け取って口を付けると、体は脱水していたようでゴ冷たい水をゴクゴクと全部飲みきった。 顎に零れた滴を手で拭う。 ミキはじっと俺を見ていた。 その喉は上下に動き、俺に欲情しているのだと思った。

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