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第132話
「早くミキの部屋に行こう」
「…うん」
立ち上がった俺をミキが抱き寄せ、額にキスした。
ミキのこれ!
何かイチイチ動作がイケメンだから!
心の中で呟く。
急いで身支度を整えるが…ネクタイが見つからない。
「おかしいな…」
ベッドの上にあると思ったけど…。
「シュウ、どうした?」
「…何でもない」
カバンの中に入れたかな…。
見つからないがミキに腕を引かれて、俺達は足早に店を出た。
表通りでタクシーを拾い、勢いそのままに乗り込む。
お互い顔は反対側の窓の外を向いているが座席の上、運転席から見えない所で指を絡ませている。
ミキの指がいたずらに俺の手のひらをなぞり、出そうになる声を抑えるのも一苦労。
早くミキの部屋に行きたい。
もう…ガマン出来ない…。
夜も更け、人通りはまばら。
タクシーを降りミキの部屋に向かうエレベーターで身体を擦り寄せ、甘えてみた。
「監視カメラに見せつけるか」
「うん、それもいいね」
キスしようとした時、ミキの住むフロアに到着した。
「残念、次回だね」
くだらない事を言って二人で笑った。
ドアを開け腕を絡ませたままもつれ込むように玄関に入った。
ミキが後ろ手で鍵を掛けたのを合図に俺はミキの首に腕を回して熱いキスをせがんだ。
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