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第140話

ポケットに入れていた携帯が震え、取り出すとミキからLIMEが来ていた。 残業が続くから週末になったらイチャイチャしよう、という内容だった。 「はぁ〜週末かぁ」 今日は会えない、明日も。 ま、会社内で会えるっちゃ会えるんだけど…忙しいのに手を止めさせるのは…ねぇ。 桐谷さんの件をミキに相談したかったけど…相談すれば忙しいのに無理して俺に会いに来るだろう。 でも無理に来させるのは嫌だし…。 頭を掻きながら自分のデスクに戻り、仕事を始めるが…俺は遠藤の視線が気になった。 何故俺を見る…。 本人は盗み見てるんだろうけど…一ミリも隠れてない! 「遠藤、何か用か?」 「え!あの…桐谷さんとなんだか親しそうに話してたから…べ、別にずっと見ていた訳じゃなくて…その…」 何だよ、見られてたのか。 「いいよ、ちょっと込み入った話をしてただけだから」 本当に?という目で遠藤が俺を見る。 …脅迫じみた呼び出しとは…言えないしなぁ…。 「そうだ、遠藤明日の夜は空いてるか?」 「えーと…空いてますけど…」 ぱぁぁ…と遠藤の表情が輝く。 「ちょっと頼みがあンだけど…いいかな?」 「何ですか?」 おっ! しっぽが…見えないしっぽがブンブン振り回されてる…。 「じゃ、ちょっと早いけど飯でも食いに行くか」 「はい!」 お供を連れて俺は食堂へと向かった。

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