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第155話

「ゲホッ…」 うぅ…喉が痛い…。 「おはよ、浅井」 「梶さん、おはようご…ゴホッ…」 あ〜喋ると咳がぁ〜。 「どうした?昨日はお楽しみか?」 「…!ゲボッ、ゴホッ…」 突然変な事言うから! 「おはようございますって、浅井さん風邪ですか?お腹とか出してるからじゃないです?」 …!! 後から来て、遠藤余計な事言うな! 「ゲホッ、ゴホッ!」 「浅井腹だすような事してたのか、そりゃ風邪ひくよな」 うぅ〜、なんだか前よりイジられるなぁ…。 節々もギクシャクするしで二人が俺を通り越し前をスタスタと歩いていく。 「梶さん、今日いいですか?」 俺を追い抜かして梶さんの横に並ぶ遠藤が、歩きながら爪先立って梶さんに耳打ちした。 「ん?いいよ」 あれ? 遠藤と梶さん、飲みにでも行くのかな? 数日前までの二人とは雰囲気が何となく違う…。 そう思ったものの、俺は気怠い身体と耳の奥に残るミキの甘い囁き声を思い出して無意識にふるっと身体を震わせた。 「ミキ…忙しいって言ってたよね」 「うん」 夜というよりは夜中に近い時間、俺の部屋で、俺を自分の股の間に座らせて、後ろからすりすりと俺の背中に額を擦り付けるミキ。 「だって、シュウ一人にしとくと寂しくて俺の知らない所で他の男とヨロシクするだろ?」 …! 人聞きの悪い。 「しないよ」 「本当かな」 「本当」 振り向いて、ミキの唇をもとめると俺の後ろ頭を手で支えてミキが深く口付けてくれた。

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