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第158話

…ミキだって飲みに行くよな… ちょっとだけ気落ちしたが遅くなっても会いに来てくれる…そう言ってくれるのは嬉しい。 キリのいいところまで残業してから俺は自分の部屋に帰った。 スーパーに寄り幾らか食材を購入して家路を急いだ。 今日は呑んで来るからミキの分のご飯は用意しなくてもいいだろうな。 その代わりに明日の朝食は和食にしよう。 おかずを多めに作って弁当を持たせたらビックリするだろうか…って、まるで新婚さんか! 街灯を避けて早歩きで帰る。 すれ違った人に真っ赤な顔を見られないように。 「はーっ…息切れた…」 やった事はないけど競歩風に歩いたせいで息が苦しい。 「おっと…早く始めないとミキが帰ってきちゃう」 バタバタと靴を脱ぎ、上着を脱ぎながら玄関を上がり荷物を持つ。 使う食材をその辺に並べてコンロに鍋を置きつつエプロンなんぞ付けて…さて、作るか。 俺は気合を入れて包丁を握った。 二時間…いや三時間程で料理も片付けも終わり、後はミキの帰りを待つだけ。 風呂に入ってベッドで待つか…。 ベッドなら眠って待っていても、ミキならそっと入り込んでくるに違いない。 …ただいまシュウ…なーんて、浮かれた妄想をしながら俺は風呂に浸かった。

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