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第167話

「肉、美味いな」 ミキと酒を飲みながら肉を食う。 「この塩釜焼きがサイコーなんだよ。シュウに食べさせたくてさ」 …あぁ、何てイイ恋人なんだ! 「うん、美味い!ありがとミキ」 男二人でガツガツと肉を食らい、ジョッキを傾ける。 …クーッ、最高! 「これ、わさび醤油も美味いんだけど、柚子塩も美味いんだぜ。ほら」 血も滴るレアな肉に、パラパラと振りかけて…パクっ! 「うわ!うっま!」 「だろ〜。いい顔するな〜シュウ」 …おぉぉ、ラブラブモード全開だぜ。 ミキが全力で俺を甘やかす。 「次はコレ食ってみたい」 メニューを広げてミキにおねだりだ! 「ん?コレか?」 「そう…あ…」 広げたメニューは結構大きくて、テーブルから通路にはみ出して脇を通った人に当たってしまった。 「すみませ…ん…」 「…あ…」 顔を上げると…上げなきゃ良かった。 「…熊田さん」 「え…っと…デート…ですか?」 …それ! 戸惑いながら聞くの止めて! 恥ずかしいから! 「そう。熊田も、だろ?」 ミキがニヤッと悪い顔をした。 「え…まぁ…はぃ…」 …照れてる? 「あの、よかったらご一緒しませんか?料理頼みすぎて食べきれないんです」 …自分達の胃袋位把握しとけ! 「わかった、行くよ。いいだろシュウ?」 「う…?うん、まぁ…」 …嫌な予感しかしないけど…。

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