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第172話

「ギャッ!」 な・が・さ・れ・た! キレイさっぱり忘れてた事をバスルームを出た瞬間に熊田さんと目が合って思い出し、俺は青くなった。 …熊田さんと桐谷さんと一緒にここに入ったんだ! 声はまる聞こえだろうからシャワーしながらナニしてたかなんて筒抜け…。 「お、マジックミラーで中が全部見えるんだ」 隣から呑気な声がするが、俺は口をハクハクしてミキを見た。 …これ、ほぼじゃなくて、まるっと生放送じゃん! 「可愛いシュウが二人に見られちゃったな」 …見られちゃったな、じゃないよ! 「見せつけてたくせに」 熊田さんが目を細めニヤニヤしてミキに言った。 「可愛いシュウを他の男にわざわざ見せないし」 んんん? ミキの言い回しがわざとらしい。 「俺達もバスルームつかおうぜ」 「え?何で?」 「ほらほら行くぞ」 「やだよ。何でだよ」 あらら、熊田さんが桐谷さんを引きずるようにバスルームに連れ込んで行った。 「シュウ、俺達はこっち」 裸で、バスタオル一枚で、俺はミキにベッドに押し倒された。 「いや。ちょっと待って!ミキ!何するの?」 「ここはどこ?」 「ら…ラブホ?」 「正解!」 ミキはそう言ってバスタオルごと俺を抱きしめ、抵抗出来ないように身体の自由を奪ってから深く口付けてきた。

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