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第176話

「あ…イク…イっちゃう…んん!」 桐谷さんが叫んで、ふらっと身体が揺れた。 「おっと」 熊田さんがその身体を支え、愛おしそうに抱えた。 「あ…その…照れます…ね」 熊田さんとバッチリ目が合って…もう、本当に耐えられない。 いや、俺はもう絶対に会社で会いたくない程度には恥ずかしいよ? 「で、解決した?」 「あ…はい…」 解決って…どういう事だ? 「ミキ、それ説明して欲しい」 「え?今?」 「今」 一瞬、ミキが、たじろいだ。 「あ、シャワーしてきていいですか?」 「ああ、どうぞ」 ミキがそう答える間も熊田さんはまだ桐谷さんを抱えてる。 あ〜桐谷さん溶けちゃってるよ。 気持ちいいのが過ぎるのもね〜。 熊田さん、やり過ぎ。 そして熊田さん達がバスルームに入ったのを見送り、俺はミキにもう一度聞いた。 「何が解決したって?」 「ん...その、熊田と桐谷の危機?」 「は?」 ミキの言ってる意味がワカラナイ。 「それと、このカップル二組でラブホに入るのと何の関係ないもないだろ?」 「そうじゃなくて、シュウ…」 ミキが俺を抱きしめた。 …誤魔化されないぞ! 「セックスの時、いつも桐谷がヤダって言うから熊田が気にして…」 …あ、俺もだわ。 「…で、どこからかシュウがヤダヤダ言いながらもスッゲーいい顔して鳴くって聞いたみたいで…」 …あ…ヤバい…。 「泣きながら俺に相談してきたンだよ。…ゴメン、シュウ」 ミキはウソは言わないだろうが…何だろう、モヤモヤする。 俺はミキの話をどう受け止めていいのか…正直分からなかった…。

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