179 / 304
第179話
見慣れない内装にほんの一瞬ドキッとした。
…大丈夫…このパターンは何度か経験している。
その度に自己嫌悪に陥るヤツだ。
自己嫌悪になるんだから本当は全然大丈夫じゃないのも分かっている。
周りを見ようと上半身を起こせばするりと肌を滑るバスローブと腰に感じる重み。
ミキの腕が俺の腰辺りに乗っかっているのだ。
眠る俺の身体をミキが綺麗に整えてくれた後、胸に抱いてくれていたんだろう。
俺の隣ですやすやと眠っていた。
ちょっと離れたソファーには熊田さんに抱き抱えられるようにして桐谷さんが眠っている。
あ〜、熊田さんの幸せそうな顔…。
何だよちゃんと両思いじゃん。
幸せそうな寝顔に、複雑な思いが湧いた。
他のカップルがいても、俺の身体はミキに抱かれると快感に溺れてしまう。
もちろんミキ以外に抱かれるのはゴメンだが場所を選ばず快楽に流される…。
はぁ…。
こーゆうのって、淫乱、って言うんだろうか。
自分の知らなかった自分。
性に関してはタンパクだと思って生きてきたのに…。
「ん…シュウ?」
俺がモゾモゾと動いたせいでミキが目を覚ました。
「起こしたな、ゴメン」
「ほら…」
ミキが腕を伸ばして俺の身体をその胸に閉じ込める。
…気持ちいい…
朝が来るまで、この腕の中に…。
ともだちにシェアしよう!