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第180話

朝が来て、それぞれシャワーをあびてからホテルを出た。 うぅ、陽の光が眩しい。 そして早く帰りたいオレを他所に、ミキと熊田さんは朝食をどこで食べるかで軽くモメていた。 「俺朝食バイキングみたいな所がいいです」 「熊、朝からどんだけ食べる気?」 「日本人なら和食だろ!」 食えりゃいいだろ!食えりゃ! 「そこでいいよ!そこ!」 俺はこれ以上時間をかけるのが嫌ですぐそこのコーヒーチェーン店に突き進んだ。 俺が入れば皆付いてくる、よし! 奥の広めのテーブル席に座り、それぞれ好きなものを注文して顔を見合わせた。 バイキングは無いがリーズナブルな値段で朝食メニューが食べられる。 おにぎり味噌汁セットがあるから井上も大丈夫だろ。 そして四人顔を見合わせて…俺だけ気まづい…。 水の入ったコップを掴んで一気に飲み干す。 すると、熊田さんが俺の顔をチラチラと見ていた。 「何かついてますか?」 「あ!いえ、その…」 俺みたいな男相手にモジモジしなくてもいいよ。 「浅井さん、凄く素敵でした」 .......? 「え?…会議の時かなんかですか?」 「違いますよ!昨日の夜、バスルームで井上さんに後ろから挿れr「ちょっと、ちょっと!」…」 まだ朝の時間帯。 客が少ないとはいえ、そんな話を堂々とされたらたまったもんじゃない! 「今、ここでする話じゃないです!」 大声を出した俺は他の客からチラ見されてる。 だがこのタイミングで食事が運ばれてきて、俺達は朝食タイムに入った。 トレイから食欲をそそるいい匂い。 「ダメなの?」 ミキが俺の機嫌を伺うような可愛い顔してまだ聞いてくる。 「ダメ」 「ダメなんだ…」 「ダメなんですね」 おい!そこの二人! 「早く飯食って解散しよう」 「シュウ…あ〜ん」 パカッと口を開けると甘い卵焼きが。 「ん…旨…」 「ワイロ」 「だからダメだって」 「ちぇっ」 唇を尖らせるミキが可愛くて、俺は思わず笑ってしまった。

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