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第181話

…帰りたい、そう言ってる…。 朝食をキメた後、解散する…のかと思いきや、ミキと熊田さんがモメてるんだか意気投合してンだか…。 ミキは熊田さんと桐谷さんの部屋に行くと言っている。 …嫌な予感しか無い。 「シュウは?」 「…行く…」 ほっとくとミキが何言うか…。 どうしてもの時は、俺がこの手で…! 「ほら、こっちだって」 俺の胸の内を知らないミキは足の止まっていたオレの手を取り、引っ張った。 土曜の朝… 繋いだ手… ミキの横顔… 上がる体温… うっわ、ヤバい。 ときめく…。 こんな状況で女子みたいな事言ってる俺。 自分で引く…。 「お?広いし綺麗にすんでンなぁ」 桐谷さんは手入れの行き届いた二部屋のマンションに住んでいた。 男四人で入っても寛げるスペースがある。 「家事、得意なんですか?」 「え?いや…その…」 んん? 挙動が…おかしい。 桐谷さんはびくっとして熊田さんに助けを求めるようにアイコンタクトをおくっている。 あら、急に挙動が…。 「俺が片付けてるんです」 ずいっと桐谷さんを背中に庇うように熊田さんが俺の前に出てきた。 いや、責めてないよ、俺。 「やっぱお前ら仲いいよな。どんだけ通ってんだよ熊田ぁ」 ミキが二人を揶揄うと、二人揃って真っ赤になっていた。

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