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第184話
「お疲れ様です」
「浅井くん、待ってたよ」
うっわ…満面の笑み…。
ヤバい、俺の脳みそは直感で警鐘を鳴らした。
「ちょっと、おいで」
宇田島さんがまるで子供を呼ぶように手招きする。
おいでおいでされるアラサーってどうよ?
心の中で突っ込んで、でも仕方なく俺は宇田島さんの後ろにくっ付いて廊下を進んで行った。
連れて行かれたのは休憩所。
まだ昼前なので利用している人は俺達だけ。
「忙しいのにわざわざ来てもらってすまないね」
「大丈夫です。仕事ですから」
これ、絶対にプライベートな話する気マンマンなやつ…。
「そう、お仕事お仕事」
宇田島さんは自動販売機に小銭入れを入れてボタンを押すと、落ちてきた缶コーヒーを俺にトスした。
「…でも休憩は必要だからね」
「…ありがとうございます…」
スクリューキャップを捻るとサラリと自然な香り。
「いい匂い」
「たまにはいいだろ?」
「はい」
宇田島さんはさっきとは違ってにっこりと微笑んだ。
ちくしょう、イケメンだな。
「ところで、梶くんどう?」
「梶さん?え…と、あ、今日はため息が多くてぼんやりしてる感じですかね」
…いつもはすっごく爽やかなんだけどね。
「そう。遠藤くんは?」
「遠藤は少し元気が無いように見えます」
俺が二人の様子を話すと宇田島さんは、はあ、と大きく息を吐き出した。
「罪な男だねぇ、君は」
…は?!
…俺?
…俺のせいなの?
もう、何でそんな事言われなきゃならないんだよ!
「どういう意味ですか?」
納得のいく理由を聞かせてもらう!
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