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第202話

会社を出て、暗い空を見上げながらゆっくり歩いた。 待ち合わせのコンビニで酒と肴を買いぶらぶらと商品を見て回る。 「へーこんなのも置いてるんだ」 ローションにゴム。 しかも種類が多い。 うっわ! サイズも色も豊富で匂い付きなんてのもある。 「なーに見てンの?」 「うわっ!」 「シュウはどれが好き?いつも俺が買うから…シュウが好きなの買おうよ」 …好きって…そんなの無いよ! 「これにする?匂いがついてるヤツ」 「え!買うの?」 ミキは俺を売り場に残しスタスタとレジに向かって行った。 「カンパーイ」 「おつかれ」 久しぶりのミキの部屋。 缶ビールをコツンと合わせてぐぐっと煽る。 くぅ!んまい!! 「シュウは酒好きだよな」 「うん」 「失敗とかするの?」 「ぶはっ!ゲホッ」 焦って漫画みたいに口から噴霧してしまった。 ゲホゲホと、咳き込む俺の背中をミキが優しく摩る。 「失敗は、するよ。するだろ?」 「ん、まぁ」 酒の席で失敗して…気がついたらベッドの上なんて…とてもじゃないが言えない…。 「…気づいたらヤッてたとか…ある?」 「ゲホッ!ゴホッ…」 咳き込みながらミキを、見る。 ミキの目は茶化しているようには見えない。 「…あー、うん…まぁ…」 「…何回?」 「…えーと…どうだったかな…」 視線をさ迷わせながら言い訳を考えている俺の視界が暗くなり、ミキが覆いかぶさって来たのを知った。

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