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第219話
「もういいですよ」
俺が声を掛けると、男達が姿を現した。
「熊田、ドキドキしたね」
「隠れなくたって良かったんじゃ…」
「意外と気づかないもんですね」
「浅井と話したかった」
「.......納得いかない」
桐谷、熊田、遠藤、梶、そして尾川。
この五人は昨日からずっとこの部屋にいた。
俺と修士の“ 愛の営み ”を最初から最後まで、モザイク無しで現物していたギャラリー。
もちろんシュウは気づいてないし、言ってない。
表面的には絶対に反対する。
シュウは知らないんだ。
自分の性癖を。
誰に触れられても、誰に挿れられても気持ちよくなっちゃう自分を。
俺は他人とシュウを共有するつもりは全くないのだが、会長という立場から一つケジメをつけたつもりだ。
『 浅井ファンクラブ会長 』それが俺の立場。
修士は気づいていないが、俺と修士は高校の同級生だった。
一学年十クラスもあれば同級生の顔を全部覚えるのだって難しい。
とにかく俺は修士に一目惚れをし、同じ大学に進んだ。
修士の就職先がどうなるか分からなかったから涙を飲んで大学院に行き、二年かけて修士と同じ会社に入れるように根回しもした。
そしてどこに配属になってもいいように、修士に近づけるようにとどこに飛ばされても成果を挙げ、修士の近くにやって来たのだ。
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