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SS2-5 『 宇田島 美祐 』

「浅井くん…」 …それは、僕の事を恋愛対象として見てもいいって言ってる? 我慢しきれなくなって、両手で浅井くんの右手を握った。 「…君は…男の子の君は僕に落ちてくれないの?」 瞳の奥を覗き込むように至近距離から浅井くんを見つめた。 瞳が揺らぎ、若干戸惑っているようだ。 「宇田島さんなら女の子より取りみどりでしょ〜?男の俺なんて相応しくないですよ〜」 目を逸らして急に大きな声で何かを誤魔化すように喋り出す。 ·····ウブだねぇ… あとひと押し… 「ダメじゃないねら…試してみて…」 握っていた手に、口付けた。 マスターにもらった鍵で入った個室は赤い部屋。 シーツもソファーも壁紙も。 非日常的な空間ならばワンチャン僕にもチャンスがあるかも知れない。 僕の後ろに付いて来ている彼の腕を取り、赤いベッドに座らせた。 「嫌だったら逃げて」 …最後のチャンスをあげる。 喉を下から撫で上げて上を向かせ、唇を奪った。 ふにゅっ、っと優しく、ゆっくりと…何度も口付けて抵抗を取り除いていく。 後頭部の髪を混ぜながら耳を撫でても彼は僕に身を任せたまま。 ·····意外と…平気? 目を閉じて、僕を受け入れてる。 顎を軽く押し下げれば簡単に口が開き、覗く舌が僕を魅了した。 僕は誘っているのはずなのにその中に誘い込まれていく感覚だった。

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