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されどそれは苦難の日々 3

「浅井さ〜ん!」 目障りワンコめ! 俺の浅井に後輩が出来た。 俺にとっても後輩にあたるのだがこのワンコ、異様に浅井に懐いている。 尻尾ブンブン振り回してんじゃねぇよ! 「ここよく分からないんです」 「どれ?これはね、こっちの…」 浅井も懇切丁寧に教えてんじゃねぇ! 二人の距離が近づいて、俺は気が気じゃない。 だがこの嫉妬に狂う姿は絶対に見せられない…。 ここは一つ仕事が出来る先輩の地位を死守する為に浅井からの信頼を強固なものにしなければ。 通常業務に資料作成、会議の段取り、部長の世話…クソっ、浅井に構う暇が欲しい! 部長席に資料を持って行き、ふと目を落とした窓の外。 下からこちらを見上げる奴がいた。 「…また、あいつかよ…」 この窓をピンスポットで見てくる奴なんて他にいない。 俺は薄々勘づいていた。 …あいつ…浅井に気がある… 仲良さげに話してる風ではないから、きっと奴の片思いには違いない。 …だが… 「余計な火種は排除してぇなぁ…」 「どうしたの?梶くん?こっちの資料も欲しいんだけど」 「それは昨日お持ちしましたよ」 「ああ、そう?ゴメン、見失っちゃったよ」 「お持ちします」 …チッ、資料くらい管理しとけ! あくまでも笑顔でPCから再出力して、ついでにメールでも送っておいた。

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