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されどそれは苦難の日々 11
ちょっとだけ、ちょっとだけ一人で飲んで帰ろう…。
浅井が退勤してちょうど一時間、ようやく仕事を終えた俺は一人居酒屋で酒を飲んだ。
飲まずにやってられるかってんだ!
「あ〜俺のモンにしてぇなぁ…」
浅井が入社した時からずっといいな、と思っていた。
そもそも自分はノンケだと思っていたのに、遠藤が入社して浅井が奴の教育担当になった頃、俺は雷に打たれたように突然気づいたのだ。
「俺、浅井が…好き…」
今まで付き合った女の子達の顔を忘れ、自分は生まれつきソッチの人間なんだ!と思える程に。
「目の前で、ハイエナに餌持ってかれる感じだよな…はぁ…」
空になったグラスの向こうに浅井の面影を探す。
「…会いたい…会いに行っちゃおうか…」
そう口に出すともう止まらず、この時の俺は酔っ払いパワー全開で浅井の部屋へと向かった。
「梶さん…どうかしたんですか?」
何だよ!新婚さんか?
こんな姿で俺を出迎えて!
エプロンを付けた浅井の姿は胸にもアソコにもグッとキた。
…ヤバい…
「ここじゃ…アレだから…」
フラフラと浅井に吸い寄せられて…白い首筋に顔を近づけていった。
…吸い付きたい…
ゴクンと喉が鳴った。
「酒くさっ…だいぶ飲んでます?」
浅井は足元のおぼつかない酔っ払いにするように俺の身体を支えて背中をポンポンと擦る。
「ん〜」
俺はちょっとだけ甘えてすりすりと浅井の肩口に顔を擦り付けて、エプロンの端をギュッと握った。
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