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されどそれは苦難の日々 19
自販機隣りのベンチに座り項垂れたまま立ち上がれず…。
「事故…か…」
成り行きで行為に至ったのは、間違いない。
けれど俺は気持ち無しに浅井とヤった訳じゃないんだ!!
そう叫びたい気持ちだったが、浅井が居ないのに(もちろん例え居ても)叫ぶ訳にもいかず、俺は脳内で着岸地の見えない後悔の海に船出していた。
気持ちがいっぱいいっぱいで口を開けば余計な事を言いそうで、俺はただ黙ってパソコンと向き合った。
浅井の事は気になったが…事故って断言された所に今更あーだこーだ言っても何も進展しない。
いや、しつこくすれば確実に会社の先輩という立場すら失うに違いない。
くっそ!
ヤった事に後悔はしていないつもりだったのに、恋人にはなれないし肝心なトコロはまるっきり覚えてないから反芻も出来ない…。
「はぁ…帰ろ…」
黙々とこなした仕事が捗ってしまって、意図せずして俺は定時で退勤した。
「ちくしょう…」
グラスに注がれたビールをぐっと煽る。
昨日失敗してんだからこんなとこ来ちゃいけないって思ってても飲まずにいられなかった。
「浅井〜何でだよ〜…俺が悪かった…」
「うわ〜、振られたんですか」
グズグズと一人で愚痴を零し空きっ腹に何杯目かのビールを流し込んだ頃、アイツが親しげに俺に声をかけてきやがった。
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