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されどそれは苦難の日々 22

『…考えるだけですけど…』 これは一見希望に縋ってしまうヤツだけれど…百パーセント断るアレ。 …そんなの、分かってる。 ライバルが多いんだから即断られるより断然いい。 結局休日はジムに出かける気にならず…俺は家に引きこもった。 浅井の事を考えてゴロゴロし、浅井のとの事を(朧気に)思い出して悶え、浅井の返事を想像して落胆する…。 そんなバカな事を日がな一日無限ループで繰り返した。 二日間も。 恋は人をダメにする。 三十代で実感した。 今まで付き合った女の子達とはこんな風にならなかった。 上手くいかなくなってもしょうがない。 じゃ、バイバイって笑ってサヨナラ出来たのに。 「なんで浅井相手だとそうはいかないんだよ…」 子供みたいな恋、してる。 体を丸めて膝を抱え、自分自身を自嘲した。 決して仕事命ではないが、週明けは浅井の顔が見られるから月曜日は意外と嫌いじゃない。 土・日、二日間も…四十八時間以上も会えなかったんだ。 会えるだけでも、嬉しい。 だが浅井は、そんなウキウキした俺とは違って酷く疲れて見えた。 「どうしたんだろう?」 怠そうな動きに、表情は薄らと怒っているように見えた。 すぐに話しかけたかったが、普段温厚でホイホイ人を寄せ付けるタイプの浅井が話しかけんなオーラを放っている。 細かいことは気にしない遠藤までこの日は浅井を遠巻きに見ていた。

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