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されどそれは苦難の日々 31

「もう二年も続いてて…安心しきってたのが原因だったのかも…」 寂しそうに話し出した難波さん。 ヤバい…これって…聞かなきゃダメかな。 俺と坂上はベッドに座る難波さんの足元で正座している。 「ケンカだってした事ないし、毎晩ここに帰って来るから…付き合ってるって思うじゃないですか!」 「違ったんですか?」 うわ!坂上、余計な事言うな!! 「違ったんです!!結婚するから今まで泊めてくれてありがとって!!」 「そんな話、現実でもあるんですね…」 うんうんと頷くんじゃない! 感心すんなよ、坂上! 恋人だと思ってた女に振られたうえに恋人にじゃないなんて否定されたらめちゃくちゃ落ち込むじゃん! 「金銭的な援助もしたし、何でも許してきたのに…」 「援助?」 「住むところも職も無いって言うから食事から何から…全部…。夜だって上手くいってると思ってた…」 「いい人過ぎですよ。俺なら落ちてます」 はは、と坂上は笑っているが、そこまでして振られるってどうよ。 …気づけよ、少しくらい兆候あったろ? 心の中でそう突っ込んでみるが恋は盲目。 「いつまでも落ち込んでないで元気出しましょうよ。全面的に協力しますよ。そうだ!合コンどうですか?」 「…協力して、くれるんですか…?あの、坂上さん…恋人いらっしゃいますか?」 「俺ですか?いないですよ」 「…なら…」 難波さんの目の色に小さな光が戻った。 「俺と付き合ってみませんか」

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