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深夜2時
暖かい湯の中を、ふわふわとたゆたうような感覚。気持ちが良いと感じるけれど、同時に身体のあちらこちらに鈍い痛みが駆け巡る。
「んっ、くうっ」
「目が覚めたのか?」
重い瞼を開こうとするが、身体が言うことを聞かなかった。ただ、耳元で囁く低い声には、覚えがあるような気がする。
「あっ、あっ!」
突然ペニスを襲った刺激に、驚いて上げてしまった声が、思った以上に大きく響いて、咲夜(さくや)はここが風呂の中だと回らぬ頭で理解した。
「まだ完全には覚めてないか」
抑揚のないその声に、安堵にも似た感情が湧くのは何故だろうと考えるけれど、思考はかなり覚束ない。
「うっ……んんっ!」
尿道口に触れた指先が、そこに挿入されている物を掴み上げ、ゆっくりとそれを抜いていく間、咲夜は未知の排泄感にビクビクと身体を震わせた。
「あ、でる……でる」
「出したきゃ出せばいい」
瞼は未だ開かない。身体に力も入らない。背後から自分を包む存在を見たいのに、振り返ることすらできない。
「ひっ、ああっ」
全てが引き抜かれた瞬間、甲高い声と同時に何かが尿道からあふれ出た。せり上がってくる感覚を、どうしても堪えることができなかったのだ。
「あぅっ……んぅ」
そして、一気に脱力した咲夜は、背後の男に身体を預け、保てなくなってしまった意識をそのままプツリと手放した。
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