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「薄いな。子供みたいだ」
「やっ……あぁっ」
そのまま、ゆるゆると竿を扱き上げられれば、信じられない強い疼きが腰から背筋へ這い上がる。それは、間違い無く快感だったが、経験の無い咲夜の頭は混乱し、未知の恐怖から逃れるために恭の身体を突き放そうと半ば無意識に腕が動いた。
「あ……ひっ!」
刹那、両手首を一纏めに掴まれそれを上へと引き上げられる。
「いた…離し……」
「おとなしくしてろ。腕、折られたくないだろ?」
膝立ちにされた体勢で、額が触れあう距離から響く冷酷な声に動きを止めると、恭は咲夜の両手に手錠のような形状の物を填めた。革製のそれは結合部分が少し長めに出来ていて、そこを掴んだ恭は立ち上がり、天井から伸びた鎖へとカラビナを使い連結させる。
「やっ…恭…やめ……も、許し……」
「立てないようにしないとな」
咲夜の声を完全に無視してそう呟いた恭は立ち上がり、吊り下げている鎖の長さを、膝がようやくベッドへ届く程度の高さに調整した。それから咲夜が立てないように、足首と腿をベルトを使って拘束する。
「いい眺めだ」
「やっ、あぅっ!」
こんな事をされているのに、萎えないペニスを指で弾かれ、その先端から透明な液がポタポタシーツへ零れ落ちた。
「縛られるのが好きなのか?」
馬鹿にしたような恭の言葉に、違うと大きく首を振る。何故自分の身体がこんなに火照っているのか分からなかった。
「こんなに垂らして……恥ずかしい身体だな」
「うっ……くぅっ」
せめて情けない声は上げないように唇を噛みしめるけれど、そんな些細な抵抗すらも次の瞬間打ち砕かれる。彼が持ち出して来た道具には、一度だけだが見覚えがあった。
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