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「……しょうがないな」
しかし、そんな目論見はすぐに恭の知る所となってしまう。彼は、後孔にある指を引き抜き、咲夜の体を仰向けにすると、信じられない事にそのまま咲夜のペニスへ舌を這わせた。
「なっ、あっ……ふくぅっ」
閉じようとした脚を掴まれ左右へ大きく割り開かれ、亀頭をペロリと一舐めしてから、酷薄そうな薄い唇に自分のペニスが含まれていく。
「あ、恭……やめ……汚い」
引き剥がそうとするけれど、痺れた腕は全く咲夜の命令を聞いてくれなかった。
「ん…くぅ……ふ」
これまで……痛みばかりを受けていた分、媚薬に浸食された体は、意志に反して快楽ばかりを貪欲に求め始める。
「くぅ……ん、んぅっ」
巧みな口淫に咲夜は喘ぎ、理由の分からぬ涙が次々目尻から溢れ頬を伝った。もう、何故こんな事になっているだとか、彼が何を考えているとか、そんな事を思う余裕も全く残されてはいない。
「……く、いくっ…いきたい、恭っ」
譫言のように繰り返すけれど、それに答える声は無く……そればかりか、再度後孔へ指をゆっくり挿入された。
「んくぅっ! あっ、あっ!」
その感覚は明らかに、いつもの痛く苦しいだけの挿入とは違っている。
「やっ! 恭っ……やめっ、ああっ…ん」
口でペニスを吸い上げながら、ある一点を強く押されれば、咲夜の視界は真っ白に染まり、体が薄赤く色づいた。
「あっ、あうっ」
細い体が弓なりに反り、それからビクビク痙攣する。これまでは……敢えて快楽を与えないように恭が仕組んでいたのだが、それは咲夜には知りようもないし、今後告げられる事もない。
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