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「あぅっ、くぅ……ん」 「今、何て言った」 「……あっ」  鋭く響いた低い声に、息が止まるほど驚いた。まさか、自分が声に出していたなんて、全く気付いていなかった。 「……」  怒りを含んだ表情の彼に、答えを紡ぐ事が出来ない。 怖かった。今までの彼の行動全てが予測不可能だったから、どう答えれば満足するのか見当もつかなかったのだ。 「ひっ! ……いた、痛いっ!」  糸を引かれて痛みに呻くと、今度は腫れた乳首の周りをゆるゆるとした動きで揉まれ、人差し指で先端を弾かれ気持ち悦さに喉が鳴る。間髪入れずに萎えたペニスを大きな掌で包み込まれ、「握りつぶされたくなければ、言え」と、ドスの利いた声で言われた。 「……恭に、また…会えたから……だから……っ」  なんとか気力を振り絞り、そこまで声に出した所で、涙が堰を切ったように眦から溢れ出る。ここに来てから、彼が自分の言葉をきちんと聞こうとしたのは初めてで……だから、もし返答を間違えて、会えなくなるのが怖かった。 「クソッ」  しばらくの間、ただ嗚咽を漏らすばかりの咲夜の耳に、唸るような声と同時に舌打ちの音が響いてくる。 怒らせてしまったのかと瞬時に体を硬くすると、突然手首の拘束が解かれ彼に頬を撫でられた。 「何でだ?」  自問するような彼の言葉に、答える言葉は持っていない。ただ、初めて見せた戸惑い帯びたその表情に……胸が大きく脈打った。

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