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「今日は普通に抱く」 「っ?」 「痛くしないって言ってる。まあ、サク次第だけど」  服を脱ぎながらそう告げると、驚いたように瞳を大きく見開くから……笑いたくなる。 「……っあ」 「なんだ?」  脱いだシャツを備え付けのカウチソファーに置いた所で、予想通りの声が聞こえるが、敢えて気づかぬ振りをした。 「恭……背中、龍が……」 「ああ、入れ墨を見るのは初めてか?」  これまで意図して上半身を隠してきたから、きっと驚いたのだろう……頷きながらも視線を逸らさずジッとこちらを見つめている。 「……触っても…いい?」  ベッドに乗り上げ覆い被さった所で小さく囁く声。  怖がるだろうと思っていただけに、恭は多少面食らったが、「ああ」と告げて起き上がり、咲夜に背中を向けて座った。 「綺麗……恭に、良く似合ってる」  そっと背中へと触れた指先が、背中一面に彫られた龍の鱗や輪郭部分をなぞる。その掌が、大切な物を慈しむように動くから……どうしていいか分からなくなり、振り返りざま恭は咲夜の小さな体を押し倒し、手首を掴んでベッドの上へと少し乱暴に縫いつけた。 「恭……ごめん、でも、綺麗って……思ったから」 「別に怒ってない」  思わず出てしまった言葉が恭を不愉快にさせたと思い、咲夜は謝罪を口にするが、返事を聞いて安堵する。こうして会話が出来るようになっただけでも嬉しかった。 「……分からない」  たまに、独白のように恭は呟く。  答える言葉も見つからないから、咲夜は黙ってそれを聞く。 「あっ、やめっ…きたなっ……」 「煩い」  近づいてきた唇を、首を捻って避けようとするが、低く強い口調で遮られそのまま唇を奪われる。 「んっ…んぅっ」  たった今、尿を飲んだばかりだからと言いたかったが、そんな思考も口内を犯され、手首を放した片方の指に乳首を緩く愛撫されるうち、これまでに無い彼の動きに翻弄されて霧散した。

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