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第13話 桃の快感の涙 *
「ひゃぁっんっ!」
カーテンの隙間から洩れる光が桃の色白の肌を照らした。
汗に濡れる幼さを残す肌を、オニは愛し気に撫で上げる。
「桃っ」
「んん、落ち着いてっ、ゆっくりっていったでしょっ」
仰向けに横になる華奢な脚を割って、オニは膝立ちのまま腰を突き上げた。
何時間かけてここまで来たか分からない。初めての桃の体をオニは大切に開いていった。
「オニさん、そんなにしたら僕こわれちゃうっ」
硬くて太い杭が体内を行ったり来たりするような、不思議な感覚に桃は涙を流していた。無理やり押し広げられる痛さが段々と快感に変わっていく。
「ゃぁ!あんっ、ぁんはっ、ゃん気持ちい!」
「っ、桃、しめすぎだっ!」
「ぼくのせいじゃないっ」
黒髪の横についたオニの手にぎりっと力が籠る。気を抜けばすぐにでも持っていかれそう。我慢できずに腰を振るオニの赤い髪は汗で濡れて肌に張り付いていた。
「どうしよっ、でちゃうっ」
涙を流す桃の頬にオニは口づけた。いつもより血行の良い肌にはたくさんの吸い痕がついている。
「ゃぁ!んーーー!!!」
2人の間で揺れる小柄の性器から熱い飛沫がオニの腹へと爆ぜた。
「まって、もうやだぁっ!」
「あともう少しだからっ」
絶頂に達したばかりの体は敏感すぎて、オニに与えられる快感は強すぎる。
「桃ッ」
オニが達したときには黒い瞳は閉じていた。
初めての経験に疲れた桃の体はぷつりとスイッチが切れてしまったようだ。
「やりすぎたか……」
オニにとって桃は命の恩人だ。悪者扱いされ、独り鬼ヶ島で生きていたオニを救い出してくれた。この少年がいたからこそ、オニは村へ戻って来れたのだ。
信頼関係がいつ恋に変わったかは分からないが、2人の選んだ道は決して間違ったものではないように感じられた。
「シーツはどうすればいいんだかな」
体液で汚れた寝具の洗い方などこの時のオニには分からなかった。シーツを丸めて床に放り投げると、汚れたままの桃の体をマットレスに横たえた。
「と、お前の体も拭かなきゃか」
甘い気怠さに包まれながら濡れタオルで体を清めた桃の横に、オニは静かに横になった。
大変な一日に終止符が打たれた気がする。
明日から始まる日々も忙しいものだろうが、これ以上二人の平和を乱すような輩出てこないだろう。
「おやすみ、桃」
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