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片翼の天使③

 彼の手を解放し、代わりに俺の手を添え、優しく上下にゆっくりとしごいていく。 「もう、カチカチ...。  胸も(・・)、弱いんだな。」  クスクスと笑いながら、少しずつ手の動きを早めていくと、陽は呼吸を乱し、また体を震わせた。  そんな彼の姿を見て更に欲情させられた俺は、背中の傷にそっと口付けた。  陽の体がビクッと跳ね上がるのを見て、自然と口角が上がる。 「咲夜...駄目...っ!」  痕を必死に隠そうとする陽を、後ろから強く抱き締めた。 「駄目じゃない。  それも含めて、陽だろ?  ...俺には、全部見せろ。」  わざとリップ音をたて、何度も吸い上げていく。  陽はなおも前へ、前へ逃げようとしたけれど、そのままそこにねっとりと舌を這わせるながら、下半身も弄んだ。 「んっ...ふぁ...んっ!」  執拗に責め続けると、陽は甘い声で鳴いた。  だからちょっと苦笑して、彼の唇を手のひらで押さえた。 「声、出すなってば。  ...そんなにイイのかよ。」  慌てて声を圧し殺し、左右に首を振ることでやめろと訴える陽。  でも最初に、言ったよな?  ...今日は自制する気なんか無いし、出来る気もしないって。  ふぅふぅと荒く熱い息を吐き出す事で快感を逃そうとする表情を見て、更に乱れる様が見たくなってしまった。  だから抵抗しようとする両腕を片手で掴んだまま下着を脱がせ、直接先端をねちっこく弄ってやった。  するとすぐに達しそうになったらしい陽は、激しく身悶えた。  さすがにこのまま出させるのは可哀想になり、彼の体を上に向けさせると、唇をそこに当てた。  意図を察したらしい陽は、またしても真っ赤になってしまったものの、俺の後頭部に手を添え、ねだるみたいに抱き締めた。  舌先で何度も舐め上げた後、軽く唇で吸い付いた。  普通に考えたらそんなの美味しくもないし、男相手にこんな事をしても楽しいはずが無いのに。  相手が陽なのだと思うと興奮し、その行為に溺れた。 「咲夜...大好き...。」  蕩けそうな顔と声で、そう呟いて。  陽はガクガクと体を震わせ、俺の口内に白濁した液体を吐き出した。

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