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片翼の天使④

 それを飲み干す俺を見て、陽はちょっとバツが悪そうに目をそらした。  その後彼はすぐに体を起こし、俺に触れようとした。  でも正直なところ今コイツに口でされたら、それだけで逝かされてしまいそうなくらい俺も興奮していたから、慌ててそれを制した。 「いいよ、今日はお前は何もしなくて。  それより、我慢出来ない。  だからもう、()れさせろ。  でも何も用意して来てないから、もしかしたらちょっと痛くさせちゃうかも知んない...ごめん。」  陽は一瞬不思議そうな表情を浮かべたものの、すぐにその意味がわかったのか、頬を染めた。  そしてむくりと立ち上がると、何故かクローゼットを開け、そこから透明な液体が入ったボトルを取り出して俺に手渡した。  それにはローションが入っていて...予想外の物にかなり驚き、彼の顔を凝視した。 「ち、違うよっ!?  僕が使ってたとかじゃなくて...咲夜と初めてする前に、僕も色々と調べて。  ...それでそれも、一応用意してたんだ。」  あまりにも愛らしいその理由に、つい吹き出した。  可愛い、可愛い、俺の陽。  俺が求めるのと同じように、コイツも俺を求めてくれていたのだと思うと、その気持ちが嬉しかった。 「これ、自分で買ってきたんだ?  ...そんなに俺と、したかった?」  ベッドの端に座ろうとした陽の手を引き、答えを待たず、ただ乱暴に口付けた。  そしてそのとろりとした液体を手に取り、わざと見せ付けるみたいに既に隆起している熱い塊に伸ばすと、陽はまるでトマトみたいに真っ赤になってしまった。 「陽...四つん這い。」  笑顔で命じると陽は、少し戸惑ったように視線をさまよわせたものの素直にその言葉に従い、獣みたいな格好で俺にすべてを差し出した。  もう一度傷跡にキスをして、焦らすみたいに入り口辺りに押し付け、ゆるゆると動かす。  すると陽は上体をベッドに倒し、ねだるみたいにお尻を突き出した。 「...陽、エロ過ぎ。  ごめん、マジで手加減出来そうにない。」  その言葉通り一気に奥まで突き入れると、陽は体を激しく仰け反らせた。 「ひっ...んんっ!」  自然と漏れる、嬌声。  頬に手を添えて強引にこちらを向かせ、キスでその声を奪った。  快楽に溺れながらも夢中でそれに応えようとするその姿に、俺も自然と煽られていく。  激しく突き上げ、抜く際は最も感じるのを知りながら時間をかけてゆっくりと引き抜く。  それを何度も繰り返すと陽は震えながらシーツを掴み、必死に堪えるような顔で涙を流した。  その姿は酷く卑猥で、扇情的で。  声を出すなと言ったのは自分なはずなのに、優しくなんか全く出来なくて。  ...そこからはただ激しく乱暴に、陽の事を犯し続けた。  何度も達しているのを知りながら、しつこいくらい陽の内壁を(えぐ)り、貪る。 「咲夜...、もう無理...っ!  許して...っ!」  唾液を口から垂らし、だらしない顔で訴えるその姿が堪らなく愛しい。  陽の厚い唇に指先を突っ込み、口までも犯しながら耳元で囁いた。 「駄目...、許さない。  今日はどれくらい俺がお前に溺れてるか、体にも教え込むから。」

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