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「これ、咥えてて」 着ているアンダーシャツの裾を、口へ押しつけられ顔を背ければ、「ハサミで切るよ」と言われたから、慌てて口を少しだけ開く。 「口、離したら切るから」 愉しそうに紡がれる声。 「へえ、こっちもピンクなんだ」 露になった平らな胸を爪でピンと弾かれて……思わず体を反らしたけれど、構うことなく乳輪部分を指で捏ねられ、おかしな感覚にとらわれる。 「……んっ」 「感度がいいな。才能? それとももしかして、経験あり?」 「や……やめっ」 「もう離しちゃったの? まあいいや、今日だけは許してあげる。ここの先端が見えないのが、恥ずかしがり屋の遥人らしいね」 陥没している先端へと、ふぅっと息を吹きかけられ、思わず男を睨みつけると、 「胸じゃなくてこっちがいいの?」 都合のいい解釈をした男は体を後ろへずらし、遥人の足首を持ち上げながら、「すぐにあげるよ」と告げてきた。 「ちがっ……ちがうっ!」 「そんなに怒らなくても、今擦ってやるから」 露出している彼のペニスが、滑りを帯びて見えるのは、自分の血が付いているからと分かっているから目を逸らす。 ――助けて! 心の中で叫ぶけれど、誰も助けてくれないことは分かっていた。けれど、祈らずにはいられない。 「ぐっ……うぅ!」 「付き合うって言えば、優しくしてやるけど、どうする?」 ミチミチとアナルを押し広げ、中へと挿入ってくる熱と、そこから生まれる激しい痛みに耐えながら、それでも遥人は首を横に振り彼へと否を突きつける。 「つき……あわない」 「へえ、まだそんな口が聞けるんだ。遥人は痛いのが好きなのかな」 「いっ! いだっ……いたい!」 わざと痛みを伴う角度で一気に奥まで貫かれ、遥人は悶え足掻くけれど、構うことなく抜き差しされて、頭の中がパニックになった。 「う゛……ううっ……ん」 それから……どれくらいの時間男に甚振られていたのかなんて分からない。 ただ、苦しくて、悲しくて、体が痛くてたまらなくて……。 『記念に撮っておくね』 シャッター音と男の声が、どこか遠くで聞こえたのは覚えている。 『どうせ来週になったら、俺と付き合うことになる』 意味深な言葉を紡ぐ、形の整った唇も。 ――たす……けて。 こんな時、頭の中に浮かぶのが、過去に2回だけ言葉を交わしたクラスメイトしかいないなんて――我ながら、みじめだと思う。 ――ど……して。 自分がこんな目に……と、何度も頭で繰り返しながら、終わりの見えない夜の闇へと、遥人は意識を深く沈めた。

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