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どれくらい時が経過したのか、既に分からなくなっていた。
「……っ」
数度目の浅い眠りから、悪夢にうなされ目覚めた遥人は、現実から逃げるかのように布団の中へと潜り込んだ。悔しくて、情けなくて、あふれる涙が止まらない。
玲がもたらした嵐のような時間が過ぎたと知った時、遥人の周りは目を覆いたくなるような惨状だった。乱れたシーツには血の痕が残り、制服は、買い直さないとならないくらいズタズタにされていた。
朝日の射し込む部屋の中、玲が潜んでいやしないかを注意深く確認してから、遥人は気力を振り絞り、痛む体を引きずるようにして玄関の内鍵を掛けたあと、冷水のシャワーを浴びて汚れを綺麗に洗い落とした。
途中、内股を伝い落ちた白濁に驚き嗚咽を漏らしながらも、必死に全てを指で掻き出し、何度もふらつき嘔吐しながらシーツをゴミ箱へと捨てた。
新しいシーツを敷いた所まで記憶に残っているものの、そこからは目が覚めるたび、太陽の角度が変わっていたり、夜になったりを繰り返している。
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